朝の法話  第十三回

気がつけば九月も終わりにさしかかり、来月からは冬服になります。

三年生にとっては夏服を着るのもわずかとなりました。最後と聞くと名残り惜しい気もしますね。

さて、今朝は『蓮如上人御一代記聞書』のことばを紹介します。

「蓮如上人仰せられる候「物を言へ言へ」と仰せられ候。「物を言わぬ者は恐ろしき」と仰せられ候。」

これは、「蓮如上人がいうには、物をいうことが大事。物を言わないのは恐ろしいことだ。」という意味です。

蓮如上人は室町時代の僧です。上人は常々、教えをただ聞くことも大切だが、それだと一方通行になって、聞きっぱなしになったり、または自分の都合のいいように聞いてしまうと言いました。そこで、聞いたことを確かめるために、皆が集まって語れる場所を設けたのです。そこは「講」とよばれ、多くの人が「物をいう」場になりました。

では、物をいうとはどういう意味でしょう。ここでの「物をいう」とは、討論や議論などのように自己主張することではありません。上人が言った「物をいう」とは、「自分を語る」ということなのです。

「自分を語る」とは、自分をさらけ出すことです。しかし、私たちは日々の生活で本当に「自分を語る」ことができているでしょうか。

よく、相手との関係をよくするために、相手の話を聞くといいますよね。それはそのとおりですが、そこで自分を語らず相手のいうことを聞くだけでは、関係はよくなりません。それは相手から逃げていくことになるのではないでしょうか。

そういう一面がある私たちだからこそ、勇気を持って「自分を語って」みてはいかがでしょうか。そうすることで、自分の底にある思いに気付くことができますし、「自分を語る」ことによって、初めて相手のことが理解できるのだと思います。

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