朝の法話  第十四回

今週は報恩講が行われました。講師の先生もおっしゃっていましたが、報恩講は親鸞聖人のご命日をきっかけとして、親鸞聖人の教えを確かめ、自分の生き方を考えるための法要です。ですから、親鸞聖人の教えを大切にしている伊那西高校にとって、この学校が存立することの本当の願いを確かめるための大事な行事なのです。

講師の一楽真先生のご法話の中で、「自立」と「依存」という言葉についてお話がありました。

「笠地蔵」という昔話をみなさんは知っていますか。あるおじいさんが、冬を越すためのお金にするために、作った笠を街に売りにいくのですが、売れずに肩を落として帰る途中、吹雪の中にお地蔵さんを見つけ、売れ残りの笠をかぶせてあげました。するとその日の夜にたくさんのお礼をもらった、というお話です。

ある人はこのお話を、「おじいさんは街へ行く時もお地蔵さんの立っている道を通ったはずだがお地蔵さんに気が付かなかった。しかし笠が売れなくて辛い思いをしたからこそ、帰り道にお地蔵さんが吹雪の中で寒そうにしていることに気が付いた」という視点で語ってくださいました。

つまり、健康で困ることもなく生きている間はなかなか気付きませんが、苦しみや悩みがきっかけとなって、自分が支えられて生きているということに気付かされることがあるのです。しかし、いくら健康で悩みがなくても、ただ気付かないだけで、いろいろなものに支えられて生きているということに変わりないのです。

「自立」というと、誰にも頼らないで自分の力で生きることのように考えてしまいますが、本当の「自立」とは、自分がいろいろなものに支えられて生きているということをはっきり自覚して、感謝できるようになることを言うのではないでしょうか。