朝の法話   第六回

西高祭もいよいよ近づき、校舎内が賑やかになってきました。

今年の西高祭のテーマは「彩~一人一人の色で輝かせよう~」です。一人一人、それぞれ違った自分の色を持っています。比べて良い悪いはなく、どの色にもその色にしかない輝きがあるのです。

しかし、どうすれば自分だけの色や輝きを見つけることができるのでしょうか。もしかすると、自分の色や輝きが分からなくて、焦る気持ちの人もいるかもしれません。

そこで、次のようなお話を紹介します。心理学者の河合隼雄さんが話されたというものです。

 夜、闇の中、漁船が行き先を見失う。

 船員が必死に灯りをつけるが方向が見えない。

 その時老練の漁師が言う。「灯りを消せ」。

真っ暗になる。

闇に慣れてくると、遠くにボーと町の灯りが浮かぶ。

明るさの中で見えなくなり、闇の中で見えてくるものがある。

 私たちは何かを探すとき、光で周りを照らそうとします。しかしその光によって、かえって大事なものを見失うということがあるのです。

明るい場所で星を探すことはできません。夜空で星を探すためには、暗くなければなりません。

私たちの周りには、目立つもの、きらびやかなもの、かわいいものなど、そういう光に溢れすぎています。しかし、そういった光に目をくらまされていれば、自分の色や輝きは見えてきません。

暗闇とは、すなわち、光に惑わされないで、目を閉じて静かに立ち止まるということだと言えるのではないでしょうか。自分の輝きを見つけるために必要なのは、光ではなく暗闇なのかもしれません。