トイレのレバーが戻らない原因と交換方法を元水回りのプロが解説

トイレのレバーが戻らない原因と交換方法を元水回りのプロが解説

いつも通り水を流したのに「トイレのレバーが戻らず水が流れっぱなしになっていた」「トイレレバーが手で動かさないと自動的に戻らなくなった」このようなことでお悩みではありませんか?

今回は、トイレのレバーが戻らない原因と交換方法について解説します。

トイレのレバーが戻らない原因とは?

トイレの水が流れる仕組みは、下記のとおりです。

  1. トイレレバーを捻ると、レバーに付いている鎖が引っ張られ、鎖の先に付いている黒いゴム栓(フロートバルブ)が開き、せき止められていたタンク内の水が便器に流れます。
  2. タンク内の水が減ると、タンクの中にある浮き玉も同時に下がります。浮き玉が下がると、ボールタップも同時に下がり、止水栓が開いて給水管からタンク内に水の給水が始まります。
  3. タンク内の水が全て便器に流れると、フロートバルブが閉まります。
  4. 水位が上がると浮き玉も同時に上がるので、一定量まで水が溜まるとボールタップの弁が閉じて給水は終了。給水が完了するとフロート弁が配管を塞ぎ、レバーの位置が元に戻ります。

通常ですと、このような流れでトイレレバーを捻ることで水が流れ、給水が終わるとレバーの位置は自動的に戻る仕組みです。

筆者イラスト
伊那西さん

トイレのレバーが戻らない原因は何なのでしょうか?大きく3つ原因があるので、ご説明します!

レバー本体の劣化

レバーを回しても戻らない場合、まず疑って欲しいのはレバー本体の劣化。レバー本体が汚れていたり錆びてしまっている場合は、それが原因で回らなくなっている可能性があります。

汚れや錆を落としてもレバーが回らない場合は、新しいレバーへの交換がおすすめです。

また、レバーの軸が汚れたり錆びたりしていても、レバーが回りづらくなります。本体と併せて、レバーの軸も確認しましょう。

タンクの中の鎖に異常がある

レバーとフロート弁は繋がっており、レバーを捻ることでフロート弁を鎖と一緒に持ち上げる仕組みになっています。

しかし、鎖の破損していたり、錆びていたり、フロート弁から外れているなど、何らかの不具合が生じるとレバーが空回りしてしまいます。

レバーが元に戻らない場合は、タンクの中の鎖に異常がある可能性がありますので、タンクの蓋を開けてレバーとフロート弁の繋がっている鎖に不具合がないかチェックしましょう。

フロートバルブが外れている

レバーは、タンクの内部でフロートバルブ(タンクに溜められた水が便器に流れ続けないよう、排水の蓋をする部品)と鎖で繋がっています。

レバーを捻ることで鎖が引き上げられ、蓋の役割であるフロートバルブが持ち上がり、タンクの水が便器に流れ込む仕組みです。

フロートバルブが外れている時も、トイレのレバーが戻らない原因となります。フロートバルブと排水弁の間に汚れが挟まっていまうと、開閉が上手くいかないこともあるようです。

レバーが元に戻らない時は、排水弁との間にゴミが挟まっていないかもチェックしてください。

トイレのレバーの交換方法

トイレレバーが故障・劣化している場合は、新しいものと交換しましょう。

事前に準備するもの

  • マイナスドライバー(止水栓を閉めるときに使用)
  • モンキーレンチ(ナットを開閉する際に使用)
  • ゴム手袋(手が汚れないようにするために着用)
  • 新聞紙やビニールシート(床が汚れるのを防ぐために付ける)
  • 雑巾(取り外した部品の掃除、濡れた床を拭くために使用)
  • 新しいトイレレバー
  • 新しい鎖・フロートバルブ(必要に応じて)

トイレレバーはおよそ千円~6千円で購入できます。(メーカーや品番などによって価格が異なる)

交換手順

  1. 最初に止水栓を時計回りに回して水の流れを止めます。(この時、何回まわしたか数えておきましょう)
  2. レバーを捻ってタンク内の水を全て抜いてください。
  3. タンクの蓋を開け、レバーを取り外します。
  4. 向きが合っているか確認してから、新しいレバーを差し込みます。
  5. レバーを取り付けたら、再びナットを閉めてレバーに鎖を取り付けましょう。
  6. 止水栓を開けた時と同じ回数回して開け、レバーと水量を確認します。(普段通りの水の量が流れたらOKです。水の量が少なかったり多い場合は、止水栓を回す回数が違っている可能性があります)
  7. タンクの蓋を元に戻します。

もし、レバーを交換しても元に戻らなかったり、原因がわからない時はプロに依頼しましょう。自分でいろいろやってしまうと、他の部分も壊してしまうかもしれません。

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